梯子と屋根

45歳165日目。自宅の食卓より

身体は大分休まった。
大草原を駆け出していきそうなくらいに。
体内の毒も大分抜けた。
社会に当たり散らしていた若い時代も今は懐かしい思い出だ。

原始の自分は昔から変わっていないが、それで良い。
辛い事からは何時だって逃げていたい。
興味のある事はずっとやり続けていたい。

原始の自分だけでは生きていくのは厳しい。
社会に順応するための保護スーツとして大人の自分がある。

大人の自分がいなくても
大分自分は丸くなった。
自分が自分自身に馴染んできたのだろう。
きっかけは分からない。
余裕が出来てきたからかもしれないし、
高すぎる理想像に現実性を感じなくなったからかもしれない。

***
朝5:20
仕事をしている。
量産前の試作サンプルを机の上に並べている。
検出した課題の対応を決めるために。
爪折れ、変形、キズ…
少し前に客先訪問した際に初期に検出された事象に対しての見本の進捗を問われた。
見本は用意できているが持参はしなかったとの回答でその場は過ごした。
所持しているサンプル群の中にあると思っていたから特に心配もせずに。
所が整理してみると見つからない。
何度探しても。

宇宙空間に飛び出した。
40名の仲間と共に。
宇宙船内は狭いようで広い。
集会所、個室、浴室。
皆はたいてい集会所にいる。
船内に突然の警告音が響く。
窓外に10mくらいの黒い獣らしきものが船と並走している。
今のところは被害はないが…
相談した結果、引き離すようにする。
船から出た仲間数名が獣前に行き誘導を試みる。

朝6:50
妻が目覚めて動き出す。
私も起きようと思っていたのに身体は動かなかった。
キリギリス、秋の虫の音が耳に入ってくる。

朝8:10
妻が出勤に部屋を出た音が聞こえた。
暖かくなったのかセミの声が聞こえてくる。

朝9:40
起きよう。
中途半端な気持ちを引きずっていた。
仕事しよう仕事しよう、と数日前から手をつけれていないことが心の枷が重くなっていた。
今日もやろうと思っていたが怯えた心は逃げ腰のまま。
今日もやりたくない。
じゃあ、今日もやめよう。
そもそも休日だし、
幸いにも明日も休日は残っている。
やりたくなったらすれば良い。

起きて妻が作ってくれた朝食を頂く。
ご飯が美味しい。

お返しを考えよう。
お昼すぎに帰ってくる妻のために。

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